寺山修司記念館フェスティバル 献花
寺山修司記念館フェスティバル 献花
お笑い 女性 マジシャン の荒木巴です。
急に思い立ち、参加することとなった
青森県三沢市にある寺山修司記念館で行われた寺山修司没後35周年記念のフェスティバル
寺山修司さんの命日は本日。5月4日。
寺山さんの詩の一部を引用していえば、”昭和十年十二月十日に不完全な死体として生まれ 、47年かかって、35年前の今日、完全な死体となった”ということになるのでしょうか。
ということで、13時より寺山修司さんの文学碑の前で行われた
5月4日修司忌の献花からフェスティバルスタート。
寺山修司さんへのオマージュ「われに五月を」
元天井桟敷の劇団員で詩人、寺山修司記念館館長である佐々木英明氏によるご挨拶、三沢市立堀口中学校生徒さんによる詩や短歌の朗読、そして、
文学碑への献花
急に思い立ち、芸人にとっては稼ぎ時のゴールデンウィークに東京から青森まで。
その動機が尊敬する寺山修司さんの命日であることは充分な理由になりえることをご理解いただければ幸いです。
文学碑から見える風景。
高校の演劇部の部室で寺山修司さんの戯曲集に出会ったことから、これまでずっと「変わっている」と言われ続けていたマイノリティな自分を受け入れてもいいような気持ちになりました。私を勇気づけてくれた言葉たちの生みの親、言葉の魔術師と呼ばれた寺山修司さんの命日です。
二十歳の誕生日に初めてこの文学碑の前に立って泣きながら、想像力という翼で高く飛びたいと心に誓った原点の場所。
文学碑前のセレモニー後は
こちら、屋外の多目的スペースにて漫画家・竹宮惠子さんのトークショーや、
福士正一さんの舞踏「のほうから」を観劇
屋台でチーズ揚げを買って食べたり、満喫のフェスティバル
そして、寺山修司記念館が閉館する17時からは、
常設展示室にて、
寺山修司さんが監督・脚本を手掛けた映画「草迷宮」の主演でデビューされ、現在も第一線でご活躍中の俳優、三上博史さんのライブ「万才!ジルベール 寺山修司」を拝見しました。
寺山修司さんの詩や短歌の作品、今回ゲストでトークショー等に出演された竹宮恵子先生の漫画作品「風と木の詩」のジルベールについてのトークなど、素晴らしいライブでした。とにもかくにも、三上博史さんがカッコよすぎて、メロメロでした。笑
最後に、五月を愛し、五月に亡くなった寺山修司さんのデビュー作をご紹介します。
われに五月を
きらめく季節に
たれがあの帆を歌ったか
つかのまの僕に
過ぎてゆく時よ
夏休みよ さようなら
僕の少年よ さようなら
ひとりの空ではひとつの季節だけが必要だったのだ 重たい本 すこし
雲雀の血のにじんだそれらの歳月たち
萌ゆる雑木は僕のなかにむせんだ
僕は知る 風のひかりのなかで
僕はもう花ばなを歌わないだろう
僕はもう小鳥やランプを歌わないだろう
春の水を祖国とよんで 旅立った友らのことを
そうして僕が知らない僕の新しい血について
僕は林で考えるだろう
木苺よ 寮よ 傷をもたない僕の青春よ
さようなら
きらめく季節に
たれがあの帆を歌ったか
つかのまの僕に
過ぎてゆく時よ
二十才 僕は五月に誕生した
僕は木の葉をふみ若い樹木たちをよんでみる
いまこそ時 僕は僕の季節の入口で
はにかみながら鳥たちへ
手をあげてみる
二十才 僕は五月に誕生した
- 寺山修司作「われに五月を」