蔵王・とおがった大道芸でマジック① ございんまつり編
蔵王・とおがった大道芸フェスティバルでマジックショー
お笑い 女性 マジシャン の荒木巴です。
去年も出演させていただきました宮城県蔵王町での大道芸フェスティバルに今年も出演させていただきました。
まずは、蔵王町役場の駐車場にて開催された「ございんまつり」からスタート!
実はフェスティバルの数日前に起きた登戸での通り魔事件に心を悩ましていまして、,
いつも大道芸フェスでやっているお客様参加型のノコギリ切断マジックをやるべきか、、やらないべきか、、、
同じ路上で人を切るという行為は同じ、時期早々ではないのか、、
通常のイベントや企業様のパーティでは即決で「やらない」という選択をしてきた私ですが、、
大道芸フェスティバルには「パブリックアート」という側面もあり、
「芸術」という分野の存在意義を事件が起こってからフェスティバル本番までの間、ずっとずっと考えていて、、事件を受けて自粛するべきか、それとも「だからこそやるべきか」、、出発する直前まで悩みに悩み、、「お客様の代わりに人形を使うか?」とか「あらびき団の時のように一人イリュージョンをするか?(でも、今回の事件は犯人も亡くなっているし、、)」など、代案も考えていく中で、客観的に考えられなくなっている自分に気づいて、フェスの関係者様にご相談したところ「人形を使うなら、アシスタントの方がいいんじゃない?」の一言で、
急遽、メイドダンサーズの雅子さんに来ていただいて、イリュージョンショーをする運びとなりました。本当に急なお願いに応えていただいた雅子さんに心から感謝しています。
そして、緊張しながらのノコギリ切断。
事件に触れずに「いつも通りやる」という選択肢もあったのですが、この1回だけは「知らないふり」をすることができず、少しだけ触れさせていただきました。姫って馬鹿正直。笑
「これはエンターテイメントです」と言いながらの
全力のノコギリ切断ショー。笑
ご協力いただきました王子様!ありがとうございました。
いつものゴム手袋
鼻息爆破芸からの
いつもの剣ではなく、ここは事件を考慮しての
ビニールテープをぐるぐる巻いての
棒を刺すイリュージョン
剣はトドメの1本だけ。笑
最後は交換BOXイリュージョンで締めさせていただきました。
ご覧いただいた皆々様、ありがとうございました。
もう何百回とやっているノコギリ切断でしたが、今回ほど緊張したことはなかったです。
お手伝いいただいた王子様と。
本当にありがとうございました。
今回の挑戦、10年前の自分だったら絶対に「やらない」ということを選択したでしょう。実際にやらなくてもショーができるようトランプなどのマジックは念のために用意してました。
何が自分を奮い立たせたのか?それは3.11の震災で「不謹慎」という言葉に負けてしまい、芸をやることの意味を見失った自分へのエールでした。中学校からずっとやってきて、親の希望に背中を向けて「演劇」の強い高校に進学し、卒業後は東京に上京、、それでもずっと信じていた道が「不謹慎」という言葉に押しつぶされて、、それでも前に進みたいと「芸術とは何なのか?」を学ぶために2012年に大阪芸大の通信学部に入学して4年で卒業。今も継続して科目履修生として学びながら、他の分野の大学にも籍をおいています。大道芸のフェスティバルに出演するようになったのも芸術劇場でのストリートアカデミーでご縁がきっかけでした。だからこそ、どうしても「不謹慎」という壁を破りたかった。そのためにはここで事件と同じような現象をエンターテイメントとして非日常の世界への昇華する必要があると感じました。
全ては自分が前に進むための言い訳でしかありません。どんなに学業としての「芸術」を頭に入れても、やってみなければ分からないのです。そんな私のワガママにお付き合いいただき、背中を押してくださった皆様に心から感謝いたします。ありがとうございました。
こんな目に見えない葛藤を乗り越えるためにどれだけ時間をかけているんだと呆れるばかりですが、、この不器用さを愛して、私と同じような不器用な方々に何かを伝えられたら生きている価値があるんじゃないかな?と思っています。親のレールに乗せられて、未来に何の希望もなかった中学校時代の私が路上で見たパントマイムに感動して今に至るように、、路上が悲しみで溢れないよう、その上で一瞬でも「宝石」だと思わせることのできるキラキラ輝くガラス玉であり続けたいです。